建築事例
  • 摂津の家
  • 大阪府北摂地域
  • 2018/9

concept

設計監理契約して直後、お施主さんご夫妻から京都のザ・リッツ・カールトンのエグゼクティブ感を参考にしてほしい、と云われました。

それは鴨川の二条大橋のほとりに立つ超高級ホテル。まだ実物を観ていなかったのですが、ご契約直後の年末の押し迫った頃、初めて訪れました。
そして最初に思ったのが、此れは大変な仕事を受けてしまったなぁ、という感想でした。


ホテルの隅々まで時間を掛けて丹念に調査しましたが、頭の中は未消化のまま、膨大な映像と場の雰囲気だけをともかく持ち帰りました。
しかし果たして何処から手を付けようかと暫く自失の状態から設計を開始したことを懐かしく思い出します。

暫くして冷静になって良く考えてみれば、此れまで蓄積してきたディテールを応用すれば何とか構築できそうだと次第に確信できるようになりました。
となれば差したる困難も無く一気呵成に基本イメージが固まりました。


重要なファクターである素材については実は過去に使い慣れたものばかりで構成しています。
セラミックタイル、天然大理石、柿渋和紙、漆和紙、無垢木材、網代、等々何れも馴染みのある素材ばかりです。

ただ建物規模が大きい場合、下手をすると冗長で散漫な空間に堕する懸念があるので、
メリハリを付けるために全体を階層的な構成とし、
空間のシーン毎に『変奏』を加えることで部分と全体の統一感を保持しながらテイストの違う空間を連結してゆく、
という手法を採りました。『摂津の杜』と名付けた南側の庭園位置には元々、
本格的な和風庭園がありました。
維持費の掛かる樹を間引いて『和』の要素を薄め管理の楽な洋木中心の自然の『森』のような庭園を意図しました。

広大なリビングダイニング側から恰も一幅の名画を眺めるように、大きく確保したサッシ開口部廻りを黒の色調で統一して『額縁』として見立て、
建築と庭園との相互作用でお互いを引き立てる手法を採用。此れは我が国の伝統的な美意識から演繹した常套句、それを適用しました。

家具はイタリアの高級品モルテーニを採用、設計段階からスタイル、
色調、素材の組み合わせの検討を慎重に行いインテリアとピッタリ同期するよう配慮しました。

竣工・お引き渡し後、お施主さんご夫妻から、
総勢30組のご友人ご夫妻が参加する新築お披露目会に招待して頂き、
皆様の前で小生には過分のお言葉まで頂戴しました。
設計者冥利に尽きるとは正に此のこと、この仕事に携われた僥倖を感じました。

大阪・梅田での建築イベントで偶然お会いしたご縁からスタートした此の仕事、
それは設計図面を忠実に読み取り建設的な提案を常にして頂いた施工者さんの高い技術力が有ってこその達成、
大変有り難く思っております。








用途 :
住宅
敷地面積 :
1024.07㎡
延床面積 :
482.08㎡
竣工 :
2018/9
構造 :
木造2階建て
設計 :
北野彰作建築研究所
写真家 :
森本大助写真事務所
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